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【LibertyWEB】もし北朝鮮で戦争が始まったら、韓国にいる日本人は逃げられる?

【LibertyWEB】もし北朝鮮で戦争が始まったら、韓国にいる日本人は逃げられる?

http://the-liberty.com/article.php?pageId=2&item_id=12969

政府が検討している「在韓邦人の退避策」の概要を6日付読売新聞が報じました。

記事によれば、政府が検討する「在韓邦人の退避策」は次のようなものです。

基本方針としては、北朝鮮との軍事的緊張が高まった段階で、政府が在韓邦人に退避勧告を出し、チャーター機や民間機で韓国から退避させます。それでも取り残された在韓邦人は、シェルターに一旦退避し、それから72時間後、アメリカ軍の車両で釜山へ輸送、釜山から福岡県まで海自艦で輸送することが検討されています。

トランプ大統領が北朝鮮問題を解決すると宣言し、北朝鮮への圧力を強めている以上、在韓邦人の退避方法は早急に検討すべきことです。本欄では、今回の政府検討も踏まえながら、懸念事項を考えていきます。

海自艦は釜山に入港できるか?

海自艦による輸送が検討されていますが、実は、海自艦が釜山に入港できるかどうかも懸念事項のひとつです。

自衛隊法第84条の3では、自衛隊を外国へ派遣する場合、派遣先の国が自衛隊の受け入れに合意することが要件として規定されています。韓国政府や韓国の世論は、国内に自衛隊が入ってくることに否定的ですから、今回の案を実現するのは簡単ではありません。

しかも、9日に投開票される韓国大統領選挙では、反日意識が強い候補者が当選する確率が高いため、なおさら難しくなりそうです。

輸送できる人数に限りがある

輸送人数にも問題があります。

今回の検討では、主に在韓邦人とアメリカ人のみを輸送対象者と想定していました。しかし、諸外国の在外自国民の救出事例をみても、自国民だけを救出する事例はほとんどありません。

押し寄せる退避者を前に、日本人やアメリカ人を優先して退避させるわけにもいかないため、日本人、アメリカ人のみならず、韓国人を含む外国人を輸送することも想定すべきでしょう。

現在、在韓邦人が約5万7000人(短期滞在者約1万9000人含む)、アメリカ人は20万人以上いるといわれています。事前にチャーター機や民間機で滞在者を減らすとしても、万単位の人数が退避する可能性はあります。

しかし、アメリカ軍の車両と自衛隊の輸送機、輸送艦の収容人数には限度があり、在韓邦人全員を助けることはできません。また米軍の要請により、別任務につく海自艦もあるため、さらに輸送可能人数は減るでしょう。こうした輸送可能人数の限界をふまえ、軍事的緊張が高まる以前から、適切なタイミングで韓国への渡航を禁止する勧告を出す必要があるといえます。

いずれにしても、アメリカと連携して、韓国に自衛隊派遣に合意するよう圧力をかけることは必須です。そうすれば、自衛隊による陸上輸送や空路輸送も可能になり、輸送人数を増やすことができます。

化学兵器使用も想定すべき

安倍晋三首相が先月、北朝鮮について、「サリン弾頭の着弾能力を保有している可能性がある」と述べたとおり、北朝鮮では、猛毒の神経剤であるサリンVXガスをミサイルの弾頭に搭載した化学兵器が製造されている可能性は高いです。

つまり、輸送以前の問題として、化学兵器による攻撃を受けた人々に、すぐに適切な処置を施し、除染する必要があります。それが可能な部隊がいなければ輸送どころではないのです。

化学兵器使用を想定し、除染部隊を配置することを検討しておくべきでしょう。

輸送後の受け入れは?

退避してきた外国人の受け入れにも問題が残っています。難民などの受け入れには、自治体の協力が必要です。朝鮮戦争時には、政府が緊急で山口県に難民受け入れの要請を行いましたが、調整が後手に回ったことにより、輸送後、受け入れまでに時間がかかりました。

また、北朝鮮工作員が退避する人々に紛れ込むことや、退避してきた外国人がそのまま日本に定住するケースも考えられます。到着場所ではもちろんのこと、輸送機、輸送艦内で厳格な入国審査を行うことも、政府は検討すべきです。

在韓邦人の退避をはじめ、北朝鮮問題解決に向けて、日本は多くの問題を抱えています。しかし、このまま北朝鮮の核・ミサイル開発を見過ごせば、さらなる脅威になることは明らかです。政府は北朝鮮問題解決に向け、アメリカと協力しつつ、有事に備えていかなければなりません。

(HS政経塾、山本慈)

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